「椎間板ヘルニア・狭窄症はセルフケアで治す本」の危険性
「椎間板ヘルニア・狭窄症はセルフケアで治す本」の危険性
皆さん一度は目にした事のあるであろう
「椎間板ヘルニアは自分で治せる」
「脊柱管狭窄症は自分で治せる」
そう、このようなタイトルの本が本屋さんやインターネットでたくさん販売されています。
僕は以前は
「いやいや、、そんなに甘くないよ💦」
と思ってたりこのブログにもそういう記事書いてました。
でも本の内容は別として言葉として
「椎間板ヘルニア・狭窄症は自分で治す」
は正しい認識だと思います。
しかし、その「本」が起こす危険性も高い事をお伝えしたいと思い記事を書く事にしました。
自分で治す本の内容
読まれた方も多いかと思いますがもちろん僕もこういうブログを長く続けている以上代表的な本は読ませていただきました。
簡単に内容を伝えるならば
- 椎間板ヘルニアのメカニズム
- 椎間板ヘルニアを自然治癒させる為のストレッチ
- 可動域を広げる為の腰椎旋回運動を使っての矯正
といったところでしょうか。
いたって普通💦
メカニズムについては僕は医師ではありません。
しかし、このような本の筆者様の中は医師ではない人が大半です。
もちろん、柔道整復師の資格をもつ方が大半ですので少なくとも僕と比べると知識は高いのは当然ですがぶっちゃけ僕のように一年以上医学書や椎間板ヘルニアに関しての論文、世の中にある腰痛関連の本を熟読した人間からしてみれば至って「一般的な内容」でした。
患者さんの本音
整骨院の先生って毎日毎日深刻な症状をもつ椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の患者さんの「本音」や「愚痴」を聞けたりしていますでしょうか?
僕は少なく見積もってもTwitterのフォロワーさんの半分、300人以上は腰痛関連のフォロワーさんでブログの読者さんの本音を目の当たりにさせていただいています。
それに加えてDMで毎日のように無料で相談を受けています。
そして何よりは「実体験」です。
本の内容は正しい、しかし
しかし、ここが大事なところなんですが
『本の内容は正しい』です。
実際僕がやっているストレッチも多数紹介されていますし、可動域を広げることで痛みや痺れが軽減される事も身をもって体験してきました。
ただ、この筆者様が目の前でストレッチをレクチャーしてくれるのなら良いのですが情報の出所が『本』です。
僕はそこに『危険性』を感じるんです。
我が家には元ジュニア日本代表の長女、全国3位と二人の全国的なアスリートがいます。
ですのでその娘の身体のケアにもうかれこれ15年ほど関わってきたのですがその経験で痛感しているのがストレッチやトレーニングの間違ったフォームによる危険性や可動域の過度な拡大です。
間違ったフォームによるストレッチの危険性は誰でも危惧するポイントではあると思います。
問題は可動域の拡大。
いくら柔道整復師でも経験の浅い方はこの危険性に気付いていません。
可動域を拡大し続けることで故障するリスクもあるのです。
15年間全国レベルの選手や親御さんやコーチ、トレーナーの方と関わってきていますがこの過度な可動域の拡大によって選手生命を絶たれた選手をたくさん見てきました。
腰痛がそのケースに当てはまらないとは僕は考えられません。
実際腰部の過度の可動旋回が原因で故障し引退を余儀なくされた選手もいました。
そういった事を踏まえてアドバイス
僕が得た知識からもしその辺りをアドバイスするとすれば腰痛や椎間板ヘルニアの患者さんには物理的に元々ほとんど回旋しない腰椎の可動域を拡げる努力をするよりも元々30%〜50%の可動域をもつ胸郭の可動域を拡げる事をおすすめします。
胸郭の可動域を拡げることはすなわち腰椎への負担を軽減する事に繋がり、腰痛予防にもなるという訳です。
その事は『脊柱の分節的運動による脊椎可動域改善』という論文にも綴られています。
これはスポーツ界では特別珍しい理論ではなく、
以前書いた経験があるのですが野球やテニス、ゴルフのスイング時の胸郭の旋回を意識する事で腰痛を防ぐという理論にも繋がります。
超簡単に説明すると腰を回旋させるのではなく腕〜胸周り、つまり胸郭を回旋させることで結果として体幹を回旋させるということです。
もし、これを読まれている今、近くに棒状のモノやマジックハンドwがある方は上記を参考にゆっくりスイングしてみて下さい。
きっと腰を回すという意識なく体幹が回旋すると思います。
まとめ
今回は本屋などでよく見かける「椎間板ヘルニア・狭窄症はセルフケアで治す」という本について書かせていただきました。
筆者様が書いてある事は間違いではないのですが「本」という媒体でストレッチなどを紹介し、それを続ける事で完治するという考えは少し浅はかだと思います。
それに加え、直接ストレッチや可動域改善の運動を本だけの情報で行う危険性もあります。
もし、上記のような本をお読みになり納得されたならその場合は実際にその先生の治療をお受けになったり直接ストレッチや可動域改善運動をレクチャーされてみてはいかがでしょうか?
それはかなり効果的な方法だと思います。
ただ医師が外科的にみて自然治癒は不可能と判断された場合や自然治癒を狙って薬物治療を3ヶ月以上経過している場合は手術を検討してみる事をお勧めします。
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