【グランメゾン東京】尾花夏樹になりたい人は『調理師専門学校』、『ホテル』この2つはNG!?

尾花夏樹になりたい人はこの2つはNG!?

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今秋〜冬にかけて放送されていたドラマ『グランメゾン東京』を見て尾花夏樹のような料理人を志す人も増加していると思います。

 

うちの甥っ子もその一人でドラマを観て「三つ星料理人になりたい!」と言って調理師専門学校への進学を検討していると相談されました。

 

僕の答えは

 

尾花夏樹になりたければ調理師専門学校には行くな!

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です。

 

調理師専門学校には行くな

調理師専門学校にいくなと言いながら僕は調理師専門学校出身です。

 

それでも調理師専門学校には行くなと言ったははっきりいって三つ星料理人を目指す人間には時間とお金、特にお金が無駄だと思うからです。

 

あくまで三つ星を目指す人の話なので普通に料理人になりたい人には和洋中一通り学べて(浅くですけど💦)、調理師免許ももらえて就職も斡旋してもらえるのでそれなりにメリットはありますので誤解されないようにお願いしますね。

 

たしかに『グランメゾン東京』某調理師専門学校も監修には加わっていていますが僕ははっきりと無駄だと断言します。

 

まず、調理師専門学校で得られるものについてですが僕が1年間で学費200万強で得られたものは『調理師免許』のみといっても過言ではありません。

 

実際は200万では全然収まりませんし💦

 

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そんなお金と時間があるならフレンチならフランス語、イタリアンならイタリア語を習得する語学学校に通う方がよっぽど有効なお金の使い方だと思います。

 

調理師専門学校でもフランス語の授業はありますが本当に基本の料理用語を覚えてメニューが読めて、厨房での専門用語が習得できる程度です。

 

僕は調理師専門学校の本科以外にイタリア料理の専攻コースも受講していましたがそれでも語学的には同様程度でしたし、専攻コースの学費は本科に別途かかってくるのです。

僕らの時は週一回程度の専攻授業でしたがそれでも最後の卒業旅行を加えると150万円を軽く超えていました。

 

普通一般的には、高校を卒業してから調理師専門学校に入るのでだいたい18〜19ですよね、その遊びたい盛りの若者が割と自由な調理師専門学校にいくと、、、

だいたいサボりますw

 

実習や興味のある講義は休まず出席するでしょうけど、「公衆衛生学」や「栄養学」などはどうでしょう?

僕らの時代の話になりますがほとんどの学生は寝ているか、カード出席(代辺)でした💦

 

技術的に何が習得出来るのかというと、卒業するまでにテストの合格が必須なのは

 

  • 桂剥き(日本料理)
  • だし巻き卵(日本料理)
  • 胡瓜の細切り(中国料理)
  • 点心料理(中国料理)
  • シャトー剥き(西洋料理)
  • オムレツ(西洋料理)

 

くらいです。

この6点についてはものすごく厳しく採点され、人によっては10回追試って学生もいました。

 

が、逆にいえばこの程度のテクニックだけ習得していれば卒業出来てしまいます。

 

 

ここまで悪いことばかり書きましたが上記したように卒業するだけで調理師免許がもらえたり就職を斡旋してもらえたりするなどのメリットはあります。

特に就職に関しては有名レストラン、有名ホテルなどに就職出来たりは大きいかもしれません。

 

しかし、ホテルは厳しいにしろ有名レストランなどは最初はアルバイトで皿洗いなどで良ければ熱意さえあれば採用してもらえる可能性が高いです。

 

そうして現場で下働きしながらフランス語を学ぶなどを学んでキャリアアップしていく方が専門学校を出て就職するより尾花夏樹になれる可能性は高まると僕は信じています。

 

 

ホテルには就職してはならない 

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『グランメゾン東京』がある意味リアルだと感じたのはここかもしれません。

 

もし、尾花夏樹になりたければホテルに就職してはなりません‼️

 

ドラマ内でも玉森君演じる、平古祥平がフランスの「エスコフィユ」から帰国して日本のホテルにシェフとして就職している事になっていますがホテルは正直料理人として大成できる場ではありません。

 

ドラマで描かれている以上に料理人にとってホテルは成長出来る場所ではないのです。

 

ホテルというのは西洋料理に配属されると朝食やバイキングなどがメインのレストランから、フレンチレストラン、ステーキハウス、バー、結婚披露宴の料理を手がける宴会調理という風に分けられます。

 

そしてまず、ノンキャリアの新入社員がフレンチレストランに配属される事はありません。

 

まず、朝食やバイキングなどのカフェレストランか宴会調理などに配属されます。

 

スキルアップという点からすればどちらかといえばカフェレストランがスキルアップ出来ます。

カフェレストランは若い料理人が多く配属されているのでぶっちゃけ一年目からフライパンをもたせてもらえます。

若い料理人が多いのでいわいる「即戦力」になってもらわないと回らないからです。

なので純粋にスキルアップしたいのであればカフェレストランに配属されるとラッキーです🤞

 

 

次に、問題の宴会調理。

まず、ここに配属されるとスキルアップ出来ません💦

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だって、ホテルの宴会調理は『工場』だからです。

大事な事なのでもう一度書きます!

ホテルの宴会調理は工場だと思って下さい。

皆さんがイメージしやすい所でいうと、よくテレビで見たことあるであろうコンビニ弁当の加工場。

 

全ての料理が完全に工場の流れ作業のように調理され、盛り付けられていきます、それが宴会調理の厨房です。

 

お肉は掃除済みのフィレを発注し、魚はフィレを発注、肉塊を掃除する事も魚を捌く事も、ましてやその現場を目にすることさえありません💦

 

 

ここで一つエピソードを。

僕がイタリアレストランからホテルに移ってきてしばらくした頃、ステーキハウスに配属されたのですが新入社員に魚の捌き方を練習して貰おうと舌平目を発注して閉店後、練習させていたんです。

もちろん、コースの魚料理で使っていたのですがある日、僕はシェフと共に経理部に呼び出されます。

 

そこで言われたのが

「最近、おたくのセクションの残業が多いのですがどうしてですか?」

 

もちろん、僕たちは舌平目の話をしました。

それで納得してもらえると思ったのですが経理部長の口から出た言葉は

「そんな理由で残業代が増えるのは困る、次回からはフィレを発注して下さい。」

 

「、、、、。」

 

言葉が出ませんでした💦

 

シェフも僕と同様、レストランから呼ばれてホテルへ来た人間なので僕と同じ考え方でした。

 

以前、僕が料理人を辞めた理由は「バネ指」だとツイートしましたがこの時の会社側の対応に不満があったというのも大きな理由の一つになっている事は間違いありません。

 

魚の一つも捌けない人間を「料理人」と呼べるでしょうか?

ましてや舌平目は「ソールナイフ」という専門包丁があるほどテクニックを要する魚なので練習させたかったのですがそれすらさせてもらえないとなれば人を育てる事もできませんよね。

 

ヨロコル愛用のソールナイフ↓

グレステン好きなんです♩
 

ホテルは料理人を育てるよりも経費削減なんですよね、、、

 

 

そんな環境で料理人としてスキルアップが出来ないのはもちろん、尾花夏樹になれるはずありません‼️

 

もちろん全てのホテルが僕のいたホテルと同じとは限りませんが仲良しのフォロワーさんはご存知ですが僕がいたのは天皇家がお泊まりになるような老舗の超有名シティーホテルです。

 

 

まとめ

今回はドラマ『グランメゾン東京』の尾花夏樹になりたい人がハマってはいけない落とし穴についてを記事にさせていただきました。

 

調理師専門学校、有名ホテル、響きは良いし安定な道のように感じるかもしれませんがきちんとした料理人、ましてや三つ星シェフを目指す場合にはおススメできません。

 

まぁ、最新の調理技術が現場に入ってくるスピードは資金力の高いホテルが圧倒的に早いのでそういった面で一度経験しておくのもありかと思いますが。

ちなみに真空調理や低温調理、液体窒素などは20年以上前からホテルでは使われていました。

 

ただ、ホテルしか経験していない人は『料理人』ではなく『サラリーマン』だという言葉でこの記事を締めたいと思います。

 

今回も最後までお読みいただきありがとうございました😊

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